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腹腔鏡下手術

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子宮筋腫核出術

必要な時は手術療法を行います。膀胱圧迫による頻尿、尿閉など腫瘍による圧迫症状も適応になります。その場合、できれば内視鏡による治療が望ましいと思います。
子宮筋腫はできる場所によって粘膜下筋腫と筋層内および漿膜下筋腫に分類されます。粘膜下筋腫に対しては子宮鏡下手術による核出術が適用されます。 従来開腹でおこなわれた後者の根治手術(子宮全摘術)と保存手術(筋腫だけ切り取る筋腫核出術)も腹腔鏡下手術が応用されます。

腹腔鏡下筋腫核出術

子宮筋腫の保存手術(筋腫だけ切り取る筋腫核出術)にも腹腔鏡下手術が応用されます。子宮筋腫も大きくなると1kg、2kgにおよぶことがあります。私は、1kg、2kgまで大きくなった子宮筋腫の核出手術には腹腔鏡を利用した腹腔鏡補助下筋腫核出術をおこなっています。発案者は私であり、15年ほど前に考え付き、学会でも発表したものです。徐々に普及してきております。
写真は子宮筋腫のMRI画像です。それほど大きくはありませんが、丸く骨盤の中を占拠しています。

子宮筋腫のMRI画像

筋腫の個数も10個、20個と多発することもあります。筋腫核出手術で合計15個の筋腫核を摘出しました。かなり大きな筋腫でしたが、ホルモン療法(リュープリン)でおよそ半分の大きさにして、手術に際しては止血作用のあるピトレッシンを注射した上で、電気メス・超音波メスを駆使して出血も少なくよい手術ができました。
通常子宮の外に発育する漿膜下筋腫はあまり症状もなく、手術する場合も比較的容易です。ところが筋腫が靭帯という組織内に発育していくと手術は困難になり、腹腔鏡でおこなうのは容易でありません。
かなり大きな筋腫はホルモン療法(リュープリン)で小さくして腹腔鏡をおこないます。この患者さんは受診された時に筋腫の大きさがおよそ1キログラムありました。ホルモ療法(リュープリン)で期待どおり、ふたまわりほど縮んでくれましたが、腹腔鏡で観察すると靭帯内に発育していて、手ごわいことがわかりました。リュープリンのおかげで700g弱まで小さくなってくれたことも幸いして無事手術を終了できました。この場合、無理をせず、大きな開腹手術に移行するのも選択肢の一つです。
腹腔内の所見や手術の進行状況等により、安全のために従来の開腹手術に移行する可能性はありえます。患者さんに開腹移行の理解してもらうことは腹腔鏡下手術のインフォームドコンセントの基本に変わりありません。

腹腔鏡手術で筋腫の核出

腹腔鏡手術で筋腫の核出をおこないましたが、術中に思ったのは、弘法も筆を選ぶべきで、術式に適した器具を使うべきことだということです。筋腫を操作するには、普通の鉗子では力が伝えにくく、ミオームボーラーというコルク抜きのような道具を用意して使いたいものです。

ミオームボーラー

子宮筋腫核出術の腹腔鏡下手術は保険適用にもなり、実施する施設も増えてきました。核出術は機能温存手術ですからその成績は妊娠率や安全に出産できるかという面からも評価される必要があります。私どもの腹腔鏡下に全操作を行う
laparoscopic myomectomy(LM)、
aparoscopically-assisted myomectomy(LAM)
を含めた腹腔鏡下筋腫核出後の妊娠率は以前の開腹術時代と比べて良好ですが、いわゆる生殖補助医療の進歩にもよるところがあり、腹腔鏡下手術がなぜ優れていて成績がいいかは、今後多施設の成績をあわせて検討する必要があるでしょう。

腹腔鏡下手術後に妊娠された帝王切開になった方の腹腔所見を見ますと、従来の開腹による核出術後によくみられた子宮と周囲組織の癒着がほとんどないことに気づきます。腹腔鏡下手術では術後の癒着が少ないのは定説になっていますので、これがLM、LAMの妊娠率が高いことの一因かと推定されます。
(提供 堤 治)

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子宮内膜症性卵巣嚢胞

病巣を取ったり癒着などを可及的に剥がす手術で、これから妊娠をしたい、卵巣をなるべく残したい場合に行います。癒着を剥がしていって、卵巣も嚢胞のところだけくり抜きます。お腹の中を視ることで、どういう病気の広がり方をしているのかが判ります。採った病巣を顕微鏡検査に出すことで悪いもの(卵巣ガン)がないことも判ります。
不妊症の方の場合は癒着を剥離したり、病変を除去したり、お腹の中を洗浄することで術後は妊娠しやすくなることが知られています。痛みに関しても、最初からそれを狙って手術をすることはあまりしないのですが、結果的には病巣を切除したり癒着を剥離すると痛みが軽減することもあります。
ただ卵巣嚢胞をとった場合、難しいのですが、取り方によっては、正常な卵巣を傷つけて機能を下げてしまう場合があるのは事実です。再発しないように嚢胞を根こそぎ取ろうとすると、正常な卵巣を取り過ぎてしまって卵巣機能の低下を招きますが、だからといって、この人はまだこれから妊娠もするだろうし、もう片方の卵巣も心もとないから卵巣を傷つけないようにしながら嚢胞を取ろうと思うと、こんどは病巣をちゃんととることが犠牲になってしまって、再発する可能性が高くなるので悩むところで、これは術者としてはとてもジレンマにおちいるところです。


(提供 甲賀かをり)

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子宮内膜症の腹腔鏡下手術

手術療法には病巣のみを除去する保存療法と、子宮あるいは卵巣または両方を切除する根治療法があります。
保存療法では病巣のみを切除し、子宮や卵巣は温存されます。癒着等も剥離しますので、妊孕性が高まる、わかりやすくいえば妊娠しやすくなります。月経も当然なくなりません。これは、ふたたび子宮内膜症ができる条件も温存することになり、何年か経ち、再発することはあり得ます。

保存手術


一方、子宮あるいは卵巣、または両者を切除する根治療法では、子宮内膜症の原因から断ち切るので根治が期待できますが、月経もなくなり、妊娠はできなくなります。
どちらを選択するかは、年齢、症状、今後の妊娠希望の有無などの条件で決まります。もちろん不妊症の方には保存療法しかないのはいうまでもありません。20代、30代で当面子どもは欲しくない場合でも、将来は分らないので、症状が多少強くても保存療法が適する場合が多いです。症状が強く、薬剤が無効な40代の方で妊娠を希望しない場合には、根治手術が選択されることが多くなります。

根治術

根治術

腹腔鏡下手術

腹腔鏡下手術

子宮 手術配置

 

腹腔鏡下手術

腹腔鏡下手術はなぜ望ましいのか
従来、子宮内膜症の手術は開腹で行われていました。開腹術というのは腹壁を10から15cm、場合によっては20cm程切開した上で、お腹に手を入れて行っていました。
これに対して腹壁に10cm程の孔を開け、そこから内視鏡(お腹の中を視る場合なので腹腔鏡)を入れて行う「腹腔鏡下手術」が導入され、全国的に広がっています。この手術の最大のメリットは、お腹を切らないことで患者さんの肉体的負担を軽減できることです。それにより術後の疼痛は極めて少なくなり、入院期間も短縮されます。後で述べる細径の場合は当日か翌日、ある程度大きな嚢腫の場合でも2、3日、癒着のある子宮全摘でも4、5日というところです。当然、術後の社会復帰までの日数も半減以下となります。これは単に個人の肉体的経済的負担を軽減するだけでなく、医療費の節減、社会への負担の節減にもつながります。

具体的な処置としては、臍下にスコープ挿入用の1cmの孔を開け、下腹部の比較的目立たない位置に開けた3〜5mmの孔から、ハサミや止血用等の操作鉗子という一種のマジックハンドを2、3本入れます。お腹の中を腹腔鏡によりテレビ画面に映し出し、これらの鉗子を操作します。レーザーや超音波メスも使います。高性能カメラは腹腔内の隅々まで映し出し、必要に応じて10倍以上に拡大して見せてくれます。腹腔鏡下手術では細かい血管もはっきり識別され、出血の 少ない精密な操作が可能です。

子宮内膜症の腹腔鏡下手術

子宮内膜症の保存手術の場合、腹腔鏡の利点を生かし、子宮の後ろのダグラス窩や、前の膀胱子宮窩の微小な病変まで拡大した画面上で探し出し、病巣を除去します。病変が腹腔上に点在していれば(その外見からブルーベリースポットと呼ばれる)、レーザーや電気メスで焼灼します。癒着を作っている部分は丁寧に剥離します。子宮内膜症の癒着剥離は難度が高く、術者の熟練した技術を必要とします。東大では手術の難度をTからVまでの3段階に分類していますが、嚢腫を核出して卵巣そのものを温存する場合も、根治術として子宮全摘を行う場合も、レベルVで最高難度の手術です。

腹腔鏡下手術の一部始終はモニターに映し出され、ビデオに収録されます。したがってビデオテープでもう一度手術の内容を検討し、次の手術に役立てることもできます。退院前の患者さんにはビデオをお見せしながら説明を行いますから、手術の内容や成果をより理解していただけます。

腹腔鏡下手術のメリット

腹腔鏡下手術の利点は先に述べたように、何といってもお腹を大きく切らないために術後の痛みが少ないことが一番です。開腹術の後には痛み止めの注射を何度も必要とする患者さんが多いのですが、腹腔鏡下手術の患者さんでは痛み止めの注射がいらない場合がほとんどです。
術後の回復も早く、通常は手術翌日から食事も摂れます。自分で歩いてトイレに行ける等、日常的な動作も問題ありません。さらに術後の社会復帰の点でも腹腔鏡下手術の利点は大きいものがあります。通常開腹手術を受けられた方は術後1ヶ月の検診までは職場復帰は困難な場合が多いのですが、腹腔鏡下手術の場合は退院1週間ないし2週間後には復帰も可能です。

婦人科の腹腔鏡下手術の利点としてもう一つ挙げられるのは、手術後の癒着の問題です。開腹で手術した場合、子宮、卵巣、卵管といった大切な婦人科臓器の術後の癒着は、ある程度避けられない問題でした。原因としては空気に曝される、手(手袋)で触れられる等が考えられますが、いずれにしても、これら臓器の癒着は不妊症の原因にもなり得る大きな問題です。腹腔鏡下手術の場合も癒着の可能性はゼロとはいえませんが、空気に接触しない、より繊細な操作をする等の理由で、開腹の場合に比べて大変少ないのは事実です。
(提供 堤 治)

内膜症病巣を直接除去する方法として、腹膜病巣の摘除、癒着剥離、チョコレート嚢胞の摘出があります。
また、対処療法として子宮を支えている仙骨子宮靱帯内を走る骨盤痛に関係する知覚神経を切ると痛みが楽になるので切断します。この手術は仙骨子宮靱帯切断術、LUNA(laparoscopic uterosacral nerve ablation)と呼ばれています。
(提供 百枝 幹雄)

腹腔鏡下手術のデメリット

腹腔鏡下手術は利点が多いことはお解りいただけたと思いますが、腹腔鏡下手術にも限界があり、不可能な場合もあります。また腹腔鏡下手術で開始しても開腹が必要になる場合もあります。腹腔鏡下手術は患者さんの肉体的負担を軽減することを大きな目的とする手術です。従って腹腔鏡下手術の完遂にこだわることにより、かえって患者さんの負担が増すようなことがあってはいけません。

例えば癒着が強く骨盤の中が全く見えないような場合、腹腔鏡下手術より、開腹による従来の方法で実施した方がより早くより安全なこともあり得ます。内視鏡手術全般にわたり、術中の判断により開腹に移行することがあることを患者さんには理解していただいています。とはいえ、我々の場合、実際に開腹を要する場合は、再々開腹手術を受けて癒着だらけの難しい手術を含めても100件に1件程度であり、めったに起こることではありません。(提供 堤 治)

仙骨子宮靱帯の神経が左右から合流して上がってくる上流部分を切断する仙骨前神経切断術があります。ある程度スキルのあるドクターだと腹腔鏡下に出来ますが、かなり危険な箇所にあるので開腹術でされることもありました。この神経は痛みを伝えること以外に直腸機能、膀胱機能にも若干関係しているので、特殊な場合にのみ実施される術式です。有効性も50%位で最近はあまり実施されなくなりました。
 
ダグラス窩深部(膣と直腸の間の中核部分)に内膜症が出来てしまうと診断も治療も難しく、腹腔内を見ても内膜症病巣が見つからない人が時々います。でも、もっとお腹の奥の方まで開けてみると、やはり病変があり、このような場合は深部病巣の摘除術をおこないます。でも、こういったことでは拉致があかない、症状が改善されない、また再発した、40代で子供もいるからもう挙児希望がない、そういった人の症状を治す為には子宮全摘術、或は根治手術の子宮と両側の卵巣切除術を施すこともあります。
 
手術は腹腔鏡を使って実施出来るようになりました。昔はお臍からスコープを入れて腹腔内を視るだけの検査目的だったのですが、最近は器械が進歩してきました。

☆レーザー
今までは金属で接触したところに電気が流れましたが、近頃はSFチックになってファイバーの中を緑色のレーザー光が流れて病巣を焼灼出来るようになりました。また、アルゴンプラズマガスを吹き付けて表面だけ焼いて止血ができる方法もあり、表層を焼いても深部には熱が伝わりにくい等、様々なメリットがあります。

☆電気メス
鋏も電気メスになっています。以前は太い血管を止血するには金属のクリップで挟んだり或は糸で結紮していたのですが、最近は血管を挟んで、コンピューター制御でメスに電流を流して蛋白を凝固させ、ぴたっとシールして止血出来ます。こういった機器の進化によってほとんどは腹腔鏡下での手術が可能になりました。子宮内膜症にとって手術は極めて有効な手段です。
(提供 百枝 幹雄)

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保存手術・準根治手術・根治手術の良い点、悪い点

保存手術と準根治手術と根治手術の比較ですが、保存手術はリスクも少ないが効果も少ない。根治手術になるほど効果も高いし副作用も多い。痛みに対する効果も全部切除してしまえばなくなります。準根治手術も子宮は切除するので生理痛とか生理にともなう症状は殆んどなくなるのですが、やはり残った卵巣から排卵したりすると排卵痛が残るとかおっしゃる方は、全部切除した場合(根治手術)よりは少し多い印象です。手術する年齢にもよると思うのですが。病巣に対する効果は全部切除してしまえばほぼ完全ですが、残せばそれだけ不完全です。
子宮内膜症が再発したり、さらには、ガンになったりする可能性も、準根治手術で卵巣を残して卵巣嚢胞だけを切除した場合には、まだ残っているところから再発したり、ガンになったりする可能性は残ります。全部取ってしまえばありません。
根治手術は子宮も両方の卵巣も全部取ってしまう手術です。妊娠の予定がないというだけではなく、卵巣機能がなくなってもいい場合にのみ行います。再発する可能性は極々少なく、根治性は高くなります。卵巣機能はなくなっても今はホルモン補充療法の薬が沢山開発されてきていますので、骨粗鬆症になるのを何もせずに放っておくのではなく、色々な薬をうまく使えば、取った卵巣の分のホルモンを十分補うことはできます。
子宮がない時はホルモン補充療法をやりやすいのですが、子宮があるとホルモン(エストロゲン)補充をすることで子宮ガンを起すかもしれないので、子宮ガンを起こしにくくするようなホルモン(プロゲステロン)も一緒に補充しなくてはいけないのですが、そのホルモンが今度は乳ガンの原因になるかもしれないということが、数年前に話題になって、更年期症状に対するホルモン補充療法は、たちまちはやらなくなってしまいました。けれども、子宮を取った人はプロゲステロン(子宮がんを起こしにくくするようなホルモン、つまり乳がんを起こしやすくするホルモン)を使わなくていいので、通常のホルモン補充療法よりは気軽にできるという利点があります。
(筆者注:最近では、子宮を取った患者さんでも、エストロゲンと同時にプロゲステロンを用いた方が、腹腔内に残存した子宮内膜症を再発させにくいことが知られてきており、その点を十分相談してホルモン補充の方法を決めています。)

薬物療法と手術療法(保存手術)の比較 子宮内膜症,卵巣嚢腫

以上のように、私たちが診療にあたる際に心がけているのは、まず、一人一人の患者さんの病状、それによって困っている状況を、とにかく話を聞いて把握することに努めます。そして治療方針を決める際には、患者さん、そしてその家族と、状況によっては何度も何度もディスカッションをして、時にはかなりプライベートなこと、結婚の予定があるかとか、お仕事の内容とか、にまで踏み込んでうかがいます。患者さんが何なら犠牲にでき、何を優先させたいか、つまり、何なら我慢できて、何は我慢できないのか、をとことん聞き出します。
「更年期様症状は我慢するけれど、ガンになるかもしれないのは絶対にイヤ」とか、「どんなに痛くても我慢するけれど、絶対に妊娠の可能性はあきらめたくない」とか、「たとえ人工肛門になることになったとしても、手術をしてこの痛みからは解放されたい」とか、我々もびっくりするほど、同じ病気でも患者さんのご希望は様々です。ただし、いつも申し上げているのは、治療法を選択するのは、患者さん自身であるということです。我々医師のしていることは、情報を提供し、選択肢を提示しているだけです。そして希望された治療法がうまくいくように、薬ならさじ加減を調整する、手術ならなるべく体の負担が小さくなるような方法で目的が達せられるべく、日頃から技術を向上させている、ということだけです。
( 提供 甲賀かをり)

(甲賀かをり先生から提供の資料は、2005年2月5日の講演時のデータを元に一部編集とご本人の加筆を加えています。)

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腹腔鏡下手術のこれから(細径化)

不妊症の診療を含めた腹腔鏡下手術の進歩は日進月歩で、さらに新しい展開が期待されています。その第一が腹腔鏡システムのダウンサイジング、つまり細径化です。科学分野の進歩等で腹腔鏡がより細く、より高性能になりつつあります。2ないし3ミリ径の腹腔鏡と鉗子の利用により、腹壁の切開部を最小限にとどめられ、術後の痛みや回復までの日数を最小限にすることができます。お腹の傷の大きさと退院までの日数を比較すると開腹手術では一週間を必要としたのに、10mm径腹腔鏡では退院までに術後3日程になりました。細径システムで実施した場合は痛みなどの訴えはほぼなくなり、手術当日または翌日の退院が可能になっています。電気メスやレーザーも細径化に対応して、切開・切断など不妊症例で必要な手術操作も実施できるようになりました。
細径だと、痛みも軽くなるため、局所麻酔と鎮痛剤を組み合わせることによって、全身麻酔を避けられる可能性も出てきました。この場合、手術ではなく、外来診療で行い、術中も患者さんと画面を見ながらお話しして手術を進め、終ればそのままお帰りいただくということも夢ではなくなりそうです。

もう一つの工夫は術前薬物療法です。これは子宮内膜症や子宮筋腫がエストロゲン量で左右されることを利用したもので、子宮内膜症のところでもふれたGnRHアナログ療法を応用してものです。GnRHアナログの投与によりエストロゲンが低下し、その結果子宮内膜症や子宮筋腫が縮みます。三次元の立体を二次元のテレビ画面上に映し出して行う内視鏡手術では腫瘍が小さいほど操作が容易になることは、ご想像いただけると思います。子宮や腫瘍への血流も減少し、手術出血も減るようです。GnRHアナログの中では先に述べたようにアゴニストが使用されていました。より副作用も少ないと期待されるアンタゴニストも近々導入されそうです。手術と医薬の組み合わせによって、より優れた治療に結びつけられるのです。 (提供 堤 治)

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