女の辞典

月経の仕組み

子宮は子宮体部と子宮頸部に分かれています。子宮体部の内腔を内張りしているのが子宮内膜です。
子宮内膜が厚くなって剥離するという月経のメカニズム(仕組み)は中枢と末梢の連携によってコントロールされています。
脳の視床下部からの信号が下垂体に伝えられると卵巣をコントロールするゴナドトロピン、すなわちFSH(卵胞刺激ホルモン)とLH(黄体化ホルモン)が分泌されます。視床下部から分泌されて下垂体でゴナドトロピンを分泌させるホルモンがゴナドトロピンリリージングホルモン(性腺刺激ホルモン放出ホルモン) GnRHです。GnRHアゴニストはこのホルモンの働きを調節する治療薬です。
 
ゴナドトロピンが卵巣を刺激すると卵巣の中では卵子が育ち、成熟した卵胞が破裂して卵子が排卵されると卵胞が黄体に変わります。卵胞から出ているのが女性ホルモンのエストロゲン(卵胞ホルモン)で、黄体に変わってから出るのがプロゲステロン(黄体ホルモン)です。プロゲステロンは排卵後の基礎体温の高温期に分泌されます。
 
子宮内膜はエストロゲン(卵胞ホルモン)の分泌によって増殖します。エストロゲンの分泌がピークに達すると、脳の視床下部から下垂体に情報が伝わり、ゴナドトロピンの分泌をコントロールします。すると月経によって剥離し、いったん薄くなった子宮内膜はどんどん増殖して厚くなっていきます。排卵すると内膜の増殖がほぼ止まって分泌期になります。妊娠しないと内膜は剥離して月経になります。
 
分泌期の内膜は子宮の内側をカバーしている上皮部分と、色々な物質を含む分泌液を出している内膜腺と、間を埋めている間質の三つの部分に分かれます。分泌期には子宮内膜の子宮腺は発達し粘液性の分泌物を出し、間質も増殖します。動脈は発達し毛細血管の透過性が亢進すると、血管から浸出した血漿成分により粘膜層は浮腫状となります。

排卵された卵子はこの時期に子宮に到達しますが、妊娠が成立しないと黄体が萎縮し始め、プロゲステロンの分泌が減っていきます。くるくるとしたコイル状動脈から子宮内膜に栄養が送られて、毛細血管から静脈につながって戻っていく血液の流れがあります。プロゲステロンが減って、コイル状になった動脈が痙攣して血液が届かなくなると内膜の機能層は壊死を起こして基底層から剥奪し、出血を伴って体外に排出されます。これが月経です。
 
一方、生体にはアポトーシス(プログラムされた細胞死)と呼ばれる現象があります。細胞が酸欠や血流不足になり否応なく死んでしまうのではなく、ある一定の条件になると細胞が自ら死を選ぶのです。この仕組みが子宮内膜にも備わっていて、月経が来る条件になると血流がなくなるだけではなく、アポトーシスも起こって内膜が剥げるともいわれています。正常な内膜はホルモンに反応して、剥離する時には月経血とともに膣から排出されるのですが、子宮内膜症はどうもそうではないらしく、内膜が子宮以外のからだの別の場所で育っていたり、壊死せずにいつまでも残っていたりします。
(提供 百枝 幹雄)

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