女の辞典

五十音順

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ア行

痛みの循環

痛みが発生すると交感神経が緊張し、周辺の血管が収縮して血行障害を起こします。 するとアセチルコリンやプロスタグランディンなどの痛み物質が患部に停滞して神経を刺激し、さらに痛みを増幅して、痛みの慢性化につながるような悪循環に陥るため、早めに痛みを遮断する必要があります。

 

エストロゲン(卵胞(らんぽう)ホルモン)

卵胞刺激ホルモン(FSH)の刺激を受けて卵巣内の卵胞が発育を始め、卵胞からエストロゲン(卵胞ホルモン)が分泌されます。このエストロゲンの分泌によって子宮内膜が増殖します。また、エストロゲンの分泌がピークに達すると、それが脳の視床下部(ししょうかぶ)・下垂体(かすいたい)に伝わり、ホルモンの分泌をコントロールします。

 

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カ行

基礎体温

毎朝目覚めて起き上がる前に、婦人体温計(ふつうの体温計より精度が高いもの)で測る体温。正常に排卵している場合、黄体ホルモン(プロゲステロン)の作用により、月経から排卵までは低温期を示し、排卵後には高温期を示します。低温期、高温期の持続期間は、ともに約14日間です。排卵がない場合は体温が上がらないため低温期のみの状態になり、妊娠した場合は高温期が続きます。不妊相談に行くときには、1ヶ月以上つけた基礎体温表を持参します。

 

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サ行

子宮内膜症

子宮内膜症は子宮にできる病気ではありません。子宮内膜が子宮以外の場所に発育する不思議な病気です。卵巣にできてチョコレート嚢腫と呼ばれる腫瘍を作ることがよくあります。 子宮内膜症がどうして発生するのかは今でも解明できているわけではありません。要因として昔からあげられているものに、月経時に子宮内膜が月経血と一緒に卵管を通って逆流するという「子宮内膜移植説(逆流説)」があります。逆流した月経血の刺激で腹膜が子宮内膜に化ける「化生説」も有力です。いずれにしても子宮(子宮内膜)の存在とエストロゲンの活発な分泌が、骨盤内に子宮内膜症ができるために必要です。ただし脳や肺にできる子宮内膜症や男性にごく稀に生じるものはこれだけでは説明しきれません。そこで発生の初期に子宮内膜の「芽」がさまようという「迷入説」などもあります。最近では環境ホルモン特にダイオキシンの関与がいわれています。

 

生殖補助医療

不妊症の診断・治療で実施される、人工授精、体外受精、胚移植、顕微授精、凍結胚(とうけつはい)など、専門的な医療技術の総称。たとえば卵管がないケースなど、かつては絶対不妊(治療法がなく、妊娠が不可能)とされた難治性(なんちせい)不妊の治療にも成果を上げています。技術の適応範囲については、生命倫理や家族のあり方などのあたらしい問題が提起され、法的整備やさまざまな立場からの議論が必要になります。

 

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タ行

ダイオキシン類

化学物質の合成過程でも生じますが、おもに塩素を含むゴミを焼却したときに発生し、大気と土壌を汚染します。生物のからだにとって未知な物質であるため、いったん体内に入ると代謝されにくく、食物連鎖をたどって蓄積し続け、最終的にヒトが最も高濃度のダイオキシンを摂取することになります。ダイオキシン法(1999年)により耐容1日摂取量は4pg(ピコグラム=1兆分の1グラム)/kg重量/日、つまり、体重50kgの人なら、1日に200pgまでなら摂取しても問題ないとされています。

 

体外受精

卵巣から卵子を採取し、試験管の中で精子と受精させたうえで、子宮に戻して着床(ちゃくしょう)させる方法。成功率を高めるため、排卵誘発剤をつかって卵胞 (らんぽう)を複数育て、排卵直前の卵子をできるだけ多く採取します。採取した卵子を試験管内で数時間培養し、濃度を調整した精子を入れて受精させます。こうしてできた受精卵(胚)が4〜8分割したとき、発育の良いものを3個以内選び、子宮に注入します(胚移植)。排卵誘発剤によってホルモンのバランスがふだんと違うため、採卵翌日からプロゲステロン(→プロゲステロン)というホルモンを筋肉注射、あるいは膣座薬(ちつざやく)で補い、胚がうまく着床できるよう子宮の状態を整えます。ホルモンの投与は胎児の心拍が確認されるまで2週間以上続けます。

 

ダグラス窩

お腹のなかの最下部にあるくぼみの名前。女性の場合は直腸と子宮のあいだにあります。ダグラス窩に存在する子宮内膜症病変により、子宮後壁と直腸壁の癒着が起こるため、ダグラス窩が閉塞します。

 

着床(ちゃくしょう)

受精卵は卵管の中で細胞分裂(卵割)を繰り返しながら子宮内腔に運ばれます。受精後4〜5日で胚盤胞(はいばんほう)に発育し、周囲を囲んでいるカラ(透明帯)から脱出して子宮内膜に接着、埋没し、着床が進みます(受精から6〜7日後)。メカニズムには不明なところがまだ多く、体外受精の胚の着床率は20〜30%程度であるため、成功率を向上させるためにも、着床のメカニズムを解明することは重要な課題です。

 

チョコレート嚢腫(のうしゅ)

子宮内膜症により卵巣内に子宮内膜が移植、増殖すると、月経が起こるたび卵巣内で出血して血液がたまり、嚢腫ができることがあります。卵巣内にたまって古くなった血液が、溶けたチョコレートのような状態であることからこう呼ばれています。卵巣が腫(ふく)れ上がって大きくなると、中身が漏れ出したり破裂することもあります。卵巣チョコレート嚢腫の0.7〜1 %が明細胞腺癌や類内膜腺癌などに癌化する。

 

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ナ行

内診

内膜症はダグラス窩に癒着をおこすことが多く、内診で子宮を動かした時に痛みがあったり、動きが悪いことがあります。ダグラス窩の癒着のためか、内膜症の4割近くの人に子宮後屈がみられるともいわれています。膣の奥の方や後ろ側に痛みをともなったしこり(硬結)がある場合も内膜症を疑います。また、腹部をおさえた時に痛みを感じたり卵巣が晴れている場合は、チョコレート嚢胞も疑われます。膣壁や外陰、会陰に暗紫色の小さなしこりがある場合もあり、このときは腹膜外子宮内膜症の可能性があります。腺筋症のばあいは内膜症を合併していなければ癒着をおこすことは少なく子宮の動きは制限されません。

 

妊娠・不妊の三因子(排卵・卵巣因子/男性因子/卵管因子)

妊娠・不妊の鍵を握るポイント。「排卵・卵巣因子」とは、卵胞(らんぽう=卵子を包む袋)の発育障害により卵子が育たず排卵が起こらない、または排卵していても卵子が未熟で受精する能力がないなど、卵巣・排卵に問題があるケース。「男性因子」は、精液の量が少ない、精子の数が少ない、運動能力が低い、奇形精子が多い、また射精障害など、男性側に問題があるケース。「卵管因子」は、卵管が詰まっていたり、卵子の取り込みや受精卵の輸送ができないなど、卵管に問題があるケースのことをいいます。この3つを調べれば、不妊の原因がわかります。

 

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ハ行

不妊症

世界保健機関(WHO)では、2年間の不妊期間をもつ場合を不妊症と定義しています。しかし、不妊因子がまったくないカップルの妊娠の確率を調べると、1回目の排卵周期では30%、2回目の周期では51%、さらに12周期(1年間)を過ごすと99%が妊娠します。この結果をみると、不妊期間が1年でも不妊症の検査と治療を始めていいと思われます。

 

プロスタグランジン

プロスタグランジンはプロスタン酸を基本骨格とした数多くの不飽和脂肪酸の総称で、子宮の収縮をコントロールする物質のひとつです。ホルモンではありませんが、いろいろな組織や器官で存在が確認されていて、様々な役割を担っています。10年程前は世の中の薬はプロスタグランジンさえコントロールすればどんな病気でも治せるといわれていた程いたるところに存在する物質で、色々なプロスタグランジンがあります。
リン脂質からアラキドン酸を介してシクロオキシゲナーゼと呼ばれる酵素で分解されてプロスタグランジンに変わります。それぞれのプロスタグランジンは様々な働き方をしていて、まったく正反対な働き方をするものもあります。生理活性物質の一つで、炎症をおこしたり、平滑筋を収縮させる働きもあります。酵素のシクロオキシゲナーゼを阻害してプロスタグランジンの生産を抑制するのが、消炎鎮痛剤です。

 

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ラ行

卵巣嚢腫

卵巣嚢腫は婦人科疾患の中で最も頻度の高いものの一つですが、その手術術式である嚢腫核出術、卵巣(付属器)切除術ともに腹腔鏡下で実施されます。腹腔鏡下核出術の適応は良性卵巣嚢腫で悪性卵巣腫瘍の疑われる場合は禁忌とする。超音波、CT、MRI等の画像診断で良性か悪性の鑑別をおこなう。これら画像診断で漿液性、ムチン性、奇形腫、チョコレート嚢腫等組織型まで高精度に診断できる。CA125、CA199等の腫瘍マーカーも参照する。また一定期間の経過観察をおこない黄体嚢腫等生理的なものの除外も必須である。

 

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F

FSH(卵胞刺激ホルモン)

脳下垂体から分泌され、卵巣で卵胞を発育させるホルモン。FSH製剤は排卵誘発に用いられます。

 

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G

GnRH(ジーエヌアールエイチ)

脳の視床下部(ししょうかぶ)から下垂体(かすいたい)に働きかけ、FSH(卵胞刺激ホルモン)やLH(黄体化ホルモン)を分泌させるホルモン。子宮内膜症の薬物療法として使われるGnRHアナログはこのホルモンの類似品。非常に強いFSH、LHの分泌作用があり、この薬を投与すると、いったん大量にFSH、LHが放出されて、その後分泌が止まります。ホルモンの分泌がなくなるため卵巣が働かず月経が止まるので、月経のたびに増殖する子宮内膜症の病変を縮小させる作用があり、偽閉経(ぎへいけい)療法と呼ばれます。

 

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L

LH(黄体化ホルモン)

卵巣内の卵胞が成熟したときに、脳下垂体から大量に分泌(LHサージと呼ばれます)される女性ホルモン。排卵を促し、排卵後は卵巣内に残った卵胞を黄体(黄色味を帯びた、黄体ホルモンを分泌させる組織)に変える作用があります。

 

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M

MRI(核磁気共鳴画像)

磁気を使ってからだの断画像をとらえる(X線を使ったCT検査でも断画像が得られるが、MRIほど精密な画像が得られない)。筋腫や卵巣などの状況が状態がよくわかるが、癒着の有無はわからない。腺筋症においては筋層が厚く見えることで,筋腫との鑑別が容易に出来ます。腺筋症病変の点状出血がみられるのも特徴です。ただし、筋層の一部分にできた腺筋症の場合は筋腫との鑑別がむずかしくなっています。

 

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